得意技
道を歩いていて急に迷子になったような気分。
知らない人がどんどん歩いて行って、まわりはぼやけたようにしっかりしなくて。
すわりこんでもう世界からひとりぼっち。心地よい。
むかしから迷子が得意だった。得意技だった。
3歳とか4歳の時から連発していた。
デパートで気がつくと誰もいなくて、まわりはやたらと巨大で。
ぼくは落ち着き払って、すこし気分がよくて
それでひとりで駐車場をめざして車のなかにはいって寝ていた。
しばらく続くしんとしたのどかな時間。
それでずいぶんとたつと両親がやってきた「あっ!!いた!!」と安堵する。怒る。
両親には申し訳ない。ご迷惑をかけた。しかし得意技だった。
いまでもそんな気分は得意。
歩いていると突然おそってくる。
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