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2013年6月13日 (木)

カボチャ

母さんが突然亡くなって2か月半が過ぎた。

あまりのことに信じられない気持ちで、
そのことは今も続いていて、母さんがいない生活に慣れつ

つも、
心のどこかでは信じていないようなところもある。



でも、それは今でも繋がっていることを感じているからこ
なのかもしれない。






父は母を愛しいて、生活のほとんどを母に頼っていたし、
母がいなくなって、とてもショックを受けてしまった。
元々耳が悪いのだけど、さらに聞こえなくなってしまったようだ。



実家は昔大勢で暮らしていたからかなり大きく、
そこに父を一人だけというのはあまりにも悲しく、
僕は父と暮らすことにした。


父は耳があまり聞こえないので、
だいたい一緒にでかけたりしている。
あと食事も僕が作っている。





父は母を失って気力を失ってしまったようだった。
本当に母のことが好きだったんだと思う。


父は静かな人で、社交的ではなく、外に繋がりも、社交の場もないので、
本当にひとりになってしまった感じがする。
だからなるべくそばにいてあげたいなと思う。







実家の家の裏にはささやかなスペースだけど畑がある。

父は北海道の農家の育ちだから、この数年はそこで野菜を育ていて、
それがとても上手だった。

茄子、キュウリ、トマト、シシトウ、ゴーヤ、ホウレンソウ、ミズナなど
いろいろの野菜を育ていて。農薬や肥料など使っていないので、
安心だし、やはりスーパーで買うものより味がよかった。

それを母はとても喜んで、いろんな料理にしてくれていた
そんなことも父のやりがいのひとつだったのだと思う。



母がいなくなり、父は畑を耕す気力もなくなってしまったようだ。

僕は父の気持ちがわかるから、励まし方もわからなくて
困っていた。




だけど、ある日、突然、土を耕しはじめた。


「康平がいないときに不思議なことがおこったんだよ。
康平がでかけて家でひとりでいたとき、
どうしようもなく悲しくて、しんどいなぁ・・・
これから母さんがいないこういう時間を耐えなければいけないんだ・・・
と落ち込んでいたら
ふとした瞬間に、なんのきっかけもなく、ふっと気持ちが楽になったんだ。

すこし明るくなったんだ。

こんなことじゃいけない・・・母さんもこんなことでは喜ばない、と思えたんだ。
きっと、母さんがおれのことを心配して、そんな気持ちを送ってくれたんだと
思うんだ」

と父さんは言っていた。


それで、土を耕しはじめた。

やはり、農家の生まれだから土に触れるとと楽しいらしくて、
けっこう広い面積をシャベルで土を掘り起こして、鍬でならしていった。


そして、ふたりで苗を買いに行った。


僕も何かを一緒に育てようと思った。
父さんに、「何が育てやすいの?」ときいたら
「かぼちゃはけっこう簡単だよ」といったので、
僕はかぼちゃの苗を買った。

そして、父さんがキュウリや、トマトや、唐辛子などを植えた横に
一株だけ植えさせてもらった。


そして、そのかぼちゃに花が咲いた。
とてもうれしいなと思った。


父と僕の共通の喜びがあるのが嬉しかった。



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