« 明日は坂も美雨さん、渡辺シュンスケさん、西尾大介くん | トップページ | 最終日 »

2014年11月27日 (木)

暖炉

昨日は雨が降り、寒くて、父さんは暖炉に火をいれた。
 
 
 
父さんは北海道の生まれで、いま暮らしている家は
父の幼馴染が設計をしてくれた。
 
 

その幼馴染は父に「故郷の暮らしを思い出せるように」と
家に暖炉をつけてくれたらしい。 
 
 

僕が小さい頃は暖炉は毎年使っていて、僕も妹も
暖炉のなかの炎をみるのが好きだった。 
 

  
でも僕や妹が家から離れ、暖炉は使われなくなった。
手入れがけっこう大変だから、
だんだんと面倒くさくなったのかもしれない。
暖炉の中にはいろいろな物が置かれて、小さな倉庫のようだった。 
  

それが去年、母が亡くなり、父さんと僕でこの家で
暮らすようになり、家はとても静かでなんだか寂しいので、 
僕は父さんに「今年は久しぶりに暖炉を使おうよ」と言った。
  

  
暖炉をもう一度使うには、暖炉の中にめちゃくちゃに
押し込まれているものを片付け、
耐火煉瓦をひいたり、煙突を掃除しなければならないので、
ちょっと大変なので、父さんは嫌がるかなぁと思った。 
 
 

思った通り、父さんは最初は
「もういちど使うのはけっこう大変だよ」と少し渋っていた。 
  

でも、僕が、「きっと、しゅうこ(妹)も喜ぶよ」と言ったら
父さんは「そうか」と言って、暖炉のなかを片付けて、
そしてホームセンターにいって耐火煉瓦を買ってきて、
それを暖炉のなかや外に敷き詰めてくれた。
煙突は僕が掃除をした。 
 
  
 
 
父さんは妹が喜ぶことをするのがとても好きだし、
そして、父さんも母さんがいなく家の淋しさを
少しでも明るくしたかったのかもしれない。
 

 
案の定、妹に「父さんが暖炉を今年は使ってくれたよ」と
メールすると、妹はとても喜んで、それでこっちに帰った時は
久しぶりにみた暖炉の火を嬉しそうに眺めていた。
それを見ている父さんも嬉しそうだった。  

 
 
実際に、暖炉の炎の光はとてもあたたかくて
そして眺めているのも楽しい。
ふと気が付くと、父さんも僕も、眺めている。
炎を見ていると、子どもの時の
祖父も祖母も母さんもみんないたときの景色や気配を思い出す。 
 
  
それで、「やっぱり炎はいいね」とか「あったまるね」とか
「でも煤で部屋が汚れるね」とか、
だいだい、いつも同じ会話を繰り返している。 

|

« 明日は坂も美雨さん、渡辺シュンスケさん、西尾大介くん | トップページ | 最終日 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/410143/58108121

この記事へのトラックバック一覧です: 暖炉:

« 明日は坂も美雨さん、渡辺シュンスケさん、西尾大介くん | トップページ | 最終日 »